2008年06月23日

波力発電と潮力発電の違い

 実は、『nature DIGEST 日本語版 January 2008 Vol.05, No.1(1月号)』の〔波力電力に挑む〕というお題で引っかかって、原本と見比べてみているのだが、この御題となった「To Catch A Wave : 波力電力は波に乗れるか?」というニュース記事は、発電装置から見ても、どう見ても採算が取れないように思えてならない。

 なんで、あえて、見るからにも採算の取れないのがわかる波力発電をわざわざ目玉スクープに載せるのか、疑問に思いつつも、ざっとページを見てみると、自然免疫研究をリードする日本の研究者の報道や、核査察官研修体験記など、完全なズブの素人がレポートしたものばかりあえて選んで載せている、この『nature DIGEST 日本語版』。勿論、完全にズブの素人のものだから、実際のところの物理をレポートできてはいない。翻訳は妥当でわかり易い翻訳をしているが、そういった、どうでもいいものばかり取り上げている。どうやら、Nature誌の記者だけでなく、ダイジェストの編集者も、物理を知らない者が編集しているらしい。

 『Newsmaker of the year : 2007年の「話題の人」』で、気候変動の脅威を回避するには「炭素を地中に埋めて、原子力発電や潮力発電で証明をともすこと」を取り上げられていたので、実際の実働はどれぐらいなのか、どうにも気になったもので、夕方より夫を巻き込んでわからないところを聞いてみた。

 潮力発電は立地条件や潮力発電所の規模によるが、潮の干満が大きいほど発電能力が高い。規模や立地条件によって異なるが、それは水力電力とほぼ同等のエネルギー発電ができるらしい。

 現在の波力発電装置には、大別して6種類に分けられ、「減衰型」「点吸収型」「振り子式波力変換型」「振動水柱型」「超波型」「没水圧力差型」とあるが、このうち、実用可能の可能性がある「振動水柱型」は、〔潮力発電の1/50〕しかないらしい。それ以外のものはそれ以下のものとなる。

 潮力電力の場合は、装置の構造からして、堤防に穴を開けてタービンを1つ取り付けるぐらいで、後は発電機と電池(定電圧定周波数:CVCFのようなもの)を設置し、立地条件上海水の出し入れのためのポンプ装置が必要である場合は設置すればよいだけだから、交流の安定化電源要の電池に大きなコストがかかる他は、さほどコストはかからない。

 また、潮力発電の場合は、水力発電と違って、生態系を壊すことなく、生態系に影響をあたえない構造で設置しているので、原子力の次に有力候補になると考えられる。

 しかし、波力発電装置の場合には、腐食しないような構造にすることは勿論のこと、嵐や台風などの自然災害時に持ちこたえられるように、平均50倍の強さの波に耐えられる必要があり、このため、実際に実現させようとすればかなり大型の装置になる。このため、高コストに至る。発電量も小さいため、まったく採算に合わなくなる。また、貝類などの生物が装置に張り付くこともあることから、これは障害になることもあり、とかくメンテナンスが掛かるようになる。このことから、完全に採算が合わないといえる。



 日本においては、波力発電はあるが、計画に関わった者が電気の専門家の集まりだったためか、強度計算まではせずに計画が進められた模様。潮力発電にはまだ手をつけていないのは、そういった物理を知っている上で計画を進めることができる者がそのポストにいない(おそらく人事に左右されるかと思う)からなのかもしれない。

 実を言えば、日本でも潮力発電に適した場所がある。たとえば、日本で潮力発電に最適な場所といえば、有明海である。有明海といえば、工事の中止を求める裁判で一時期有名になったが、あの界隈は、潮の干満が大きいので、防波堤に1つ穴を開けてタービンをつけて上に発電機と電池などを乗っければ、危惧されていた生態系に影響を及ぼすことなく、しかも発電が出来るので、これを行えば一石二鳥となる。しかし、そういった自然のメカニズムを知らなければ、なかなか目に行き届きにくいところかもしれない。

 とはいえ、日本の電力の技術は高い方で、海外とは違い、妥当なところを押さえている見解を示している。最も技術が高いところはどこかといえば、九州が世界で最も技術力が高い。それは国内外で有名となっている。それは災害が多い地域であるからだろうが、その経験値分、技術に力を入れているのだろう。設備投資やメンテナンスに力を入れているのか、他社の電力よりは割高だが、安く出来るメニューがあるのでそれにしている。少なくとも、災害時でも、ほとんど停電はしない。停電してもすぐに電気がつく。それだけに、海外を見れば、唖然とするほど、知識や技術に差があることがわかる。


 次に、潮力発電や波力発電について、参考となりそうなデータを示す。

### 潮力発電 ###
潮力発電 - Wikipedia
潮力発電方法
海の力を利用!!潮力発電

### 波力発電 ###
波力発電 - Wikipedia
波力発電の現状
波力発電システム


 実は、nature 誌に出されたニュースの文面には、明らかに事実とはとても思えない情報が掲載されており、一般人が見ても明らかに誤った知識による情報が掲載されているとわかるほどの酷い文面となっている。

 内容自体は、あまりにもレベルが低すぎて、どうしてこんなものが nature 誌のニュースに取り上げられるのか、大きな疑問がある。

 それは、〔公害を引き起こす汚染情報〕にあたるものでもあるので、ここで校正しておく。


 たとえば、「昔ながらの送電網を電力会社は、集中的に配置されら大規模な発電所で発電した電力を供給体制を取っているため、その送電網の多くは、再生可能エネルギー源を利用する分散的な発電方式に対応することは出来ない」とある。

 が、たいていの分散的な発電方式には、定電圧にするための電池を用いていないため、平行にして安定した電力を供給できないことが多い。即ち、低電圧にするための電池とは、「UPS/CVCF」のような装置で、商用給電方式となると、装置自体も大きくなり、かなり高コストになる。つまり、電池を設備すればコストが高くなるため、これを設けていないところが多いらしい。

### 参考 ###
無停電電源装置 - Wikipedia
CVCF


 電力を平行にして安定した電力を供給できないということは、システムを不安定にさせるものであり、電力を効率的に供給できないため、アクシデントが発生する場合もある。

 日本でも、そういった、分散的な発電方式で発電したものを供給したいといって電線を貸してほしいと持ち込まれるらしいが、電池を用いて平行にして安定した電力を供給できないことが多く、電池を設備すればコストが高くなるため、これを設けていないところが多いらしい。

 少なくとも日本においては、安定した電力を供給できれば、自由化されたこともあって、設備をレンタルさせるという。

 つまり、電池を用いて、平行にして安定した電力を供給できるならいいが、それが出来なければ、システムが不安定になり、周囲に迷惑が掛かるので、自分で送電網を作ってください、といった話になる。

 それを嫌だという者もいるが、安い電力を提供できなくなるからといって、電池を持ち要らずに、不安定な電力を送電して、送電システムを不安定にさせて周囲に迷惑をかけるというのは、おかしいんじゃないか、といった話で、断りを入れることがあるらしい。

 この話をするとふと思いつくのは、昔NGOのWWFで促進していた、風力発電を用いた電力を買い取り式のグリーン電力がたった1年で潰れれたのは、所謂、試算ミスで、専門の技術的な知識と技術力がないせいだと自分は見たが、実際のところは、電池を用いることもせず、一定の電力が供給できなかったせいもなのかもしれない。いよいよ哀れだね…。


 しかし、さらに、その文書では「再生可能エネルギー開発において電力会社が果たしてきた役割は『我々の眼の黒いうちはそんなことはさせない』といって通せんぼすることでした。彼らは波力発電装置を送電網に組み込むことに猛反対したのです」と研究者のThoroeはいう。

 だが、nature誌に掲載されている写真を見ると、それらの波力発電のシステムには、どれも、浮力ピストンなどの装置の頭上に発電機がおいてあるだけで、発電した電力を均一にして供給するための電池がない状態にある。

 この状態で、送電網を提供すれば、一定ではない分負荷がかかり、不安定化するものでもあるし、非効率化や障害が発生し、電力供給に影響を及ぼすことになるのだから、やはり、送電網を保留する電力会社は嫌がるだろう。また、そもそも電力のメリットは大口でなければ利益を得ないというのが相場だから、そもそも発電力の小さい波力電力支援者に固執するというのもおかしな話である。

 均一の電力を供給するための電池を使わないこの状態で、たとえ利益を出すことに期待していなくても、波力電力の技術で海から一定量の電力を安定的に得られるか確かめることなど、無謀な研究かと思われる。自然事態が一定の現象を引き起こすものではないので、ただでさえ巨額のコストであるだけに、どぶに捨てるようなものだと思われる。

 確実性を求めるなら、やはり電池で一定にして供給することが必要になる。確かめるよりも、まずは、一定量の電力を安定的に供給することが求められるから、電池を置いて、一定にして供給することができるようにしておくべきで、海から一定量の電力を安定的に得られるかどうかは、電池を使っても、いつでも計量出来るはずである。

 たとえ、そこで、べたで一定量を得られなくても、一定に供給できる方法をとれば、失敗は免れるだろうに、どうしてそんな無駄遣いをするのかと思えてならない。

 しかし、災害に耐えられるように強度を50倍にした上で、定電圧にするための電池を置くとなれば、かなりの高コストになるかと考えられ、初期の段階で(原子力がそうしているように)ロングスケール上で償却できるように、よほど設計の段階でバランスがとれるようにうまくしないと、採算が取れない。

 これが世界レベルの話となると、科学者においても企業においても、知識や技術力は、相当レベルが低いらしい。


 少なくとも、日本の電力会社では、出来なかった、では、許されない話である。契約者には電力供給することが原則であるので、それは、電力側だけでなく、電気を必要とする顧客者共々シビアになる。また、日本の電力会社では、確実に電力を供給しなければならないので、必ず採算の取れる確実な手段をとるようにしいる。なぜなら、停電を起こしただけで、膨大な損害賠償責任が発生することもありえるからだ。

 因みに、日本でも波力電力があるが、海外のようには酷くはない。波力電力を設置したものには、必ず、低圧化させるための「定圧化タンク」といったものが設置されている。


 しかし、海外である場合、先進国の電力企業であっても、米国では低圧化させるための「定圧化タンク」といったものを設置する必要性の見解はないらしく、波の動きを計算して電力会社の予備電力量を増減して調節しているらしい。

 こういった方法は、米国だけではないだろうが、「波の動きを計算して予備電力量を増減して調節している」とは、即ち、増減調節する分ロスがでるわけで、安定した効率的な電力供給は出来ないという話になる。

 少なくとも、nature誌で報道されたものには、低圧化させるための「定圧化タンク」を用いるといった考えはまったくなかった。


 日本は技術力が高いというが、実際にこれだけの大差があり、他の発電所もその発電能力は最も効率が高く、リスクが生じないように設計されている。また、各装置の技術能力というのも、海外とは桁違いである。


 おそらく、これを読んだ人は、大幅、大きな誤解を引き起こしているかと思われるので、実のところの物理の話を、後日あげようかと思う。

posted by 0≠素子 at 00:00| Comment(3) | enelgy industry - exploitation | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by ブラジル水着 at 2013年08月03日 07:25
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