2008年06月24日

海外において波力発電が波に乗れないのは何故か?(2)

 『海外において波力発電が波に乗れないのは何故か?(1)』より…。

 第二回目の今回は、全体図を把握し易いように、海外における世界スケールにおいての、波力発電についての経済面の流れを追って、まとめて行きたいと思う。

 但し、現在はまだ下書きの段階であり、纏め上げた後で編集することとなるが、参考としている文面は下記のようなデータを元にしている。

### 参考文献 ###
nature 450,135-318 8 November 2007 no.7167
News Feature p.156-159 / To Catch A Wave / Ewen Callaway repots
nature DIGEST 日本語版 January 2008 Vol.05, No.1(1月号)

### 関連記事 ###
海外において波力発電が波に乗れないのは何故か?(1)
nature誌で取り上げられた波力電気を経済工学的に調査する。
波力発電と潮力発電の違い


 また、日本国内の場合は、高度経済成長期の中で、独自の能力を確立しているため、別口として、参考となるデータを示す。

### 波力発電 ###
波力発電 - Wikipedia
波力発電の現状
波力発電システム


 以下に、個人研究のレポートをまとめる。



 日本国内の場合と海外とでは、その認識の差や、技術力の差については、大きな差が出ているのは、関連記事にそれぞれ取り上げてきたが、『海外において波力発電が波に乗れないのは何故か?(1)』でも取り上げてきたように、専門で研究している科学者がそうであるように、企業においても同じ傾向が見られる。

 それは、「インシデントレスポンスに対応した効率的で安定した電力供給」ではなく、「如何にコンパクトで低コストであるか」がスケールとなっており、実際に、プロジェクトの試算のとり方も、そのような計算の仕方になっている。

 『カーボン・フットプリント』標準化の研究を英国企画協会(BSI)と共に進めてたことから、その社名を世界的に知られるようになった、英国は政府系企業であるカーボントラスト社(Carbon Trusut)は、企業活動における温暖化対策などを促進するために、英国政府の資金で設立された独立企業である。

 nature誌には、ただ闇雲に Caebon Trusut 社が行った〔波力電力の見積もり〕がどんなものか一例として取り上げられているが、Caebon Trusut 社は電力会社ではなく、企業活動における温暖化対策などを促進するにマネージメントする企業である。

 実際に、Caebon Trusut 社のサイトを見てみると、エネルギー産業については詳しいわけではなく、どちらかといえば、会計系の経済学系列の流れのようである。即ち、実際のエネルギー産業の流れを知っているわけではない。

 その試算には、軌道に乗せるにはせめて見積もったぐらいの目標が達成できなければ極めて難しい、といった視野で立てられた可能性が高い。英国においては、グリーン電力で有力としているのは、風力発電と潮力発電となっており、調査してみる限り風力電力と潮力電力についての話しかあがってこない。このことから、俄然として、波力発電への期待は極めて小さいといってよいだろう。

 次に、その温度差を示すような参考となるデータを示す。

### 専門機関 ###
再生可能電力のシェアを10%に(英国)- NEDO
新・再生可能エネルギー 英国北東イングランド地域視察2007のご案内

### ビジネス系列 ###
英国ヨークシャー開発公社が環境技術に870万ポンドを投資
欧州では海洋エネルギーが次の“波”

### その他 ###
海の力を利用!!波力発電
 但し、ここで上げられている実験成功は、採算が取れるかどうかの商用化ベースとなっておらず、実際には謳われるほどの成果は出ていない。
うねりに乗った磁石は波力発電に支援を与えます
 但し、nature誌に報道されたように、米国オレゴン沖で実験された、カナダの Finavera 社の「アクア・ブイ(Aqua Buoy)」は、2ヶ月がどうした後海底に沈んでしまっている(水漏れによる水を除去するポンプの故障が原因)。即ち、海の中の環境で運転させることから、よほど頑丈に設計しない限りは、いくら高性能の技術を搭載しても失敗に至り易い。


 Caebon Trusut 社が行った〔波力電力の見積もり〕では、波力電気のコストを〔 25 〜 91 米セント(約 28 〜 100 円) / キロワット時当たり 〕と見積もっている。さらに、約 22 億 英ポンド(約 5100 億円)を投資すれば、〔 12 米セント(約 13 円) / キロワット時当たり 〕までのコストダウンが可能であるとも見積もっているが、これは、現場サイドがどんな流れで流れておりどれだけのコストが必要なのかといったことを知らない、会計系の計算である。

 この試算を、Thorpe は、「そのためには、波力電力の行く末を左右するような画期的なコストダウン技術が開発されなければならない」と考えているらしい。

 ところが、実際の電力企業というものは、各発電装置の能力というものは物理上限られてくるので、環境に合わせて主力とサブに分けて、安定した電力が供給できるように、何重も伏線を張ってトラブルが回避できるように運営されている。

 しかし、波力電力促進者は波力電力しか見ないからすべての流れが見えていない。

 物事を知らないというのは、恐ろしくも、これだけ路線をずれて走ってしまうものである…。


 しかも、立地条件が違い、各発電装置の能力というものは物理上限られてくるものである、というのに、波力電力促進者の研究者たちは、他の発電方法に打ち勝つための試算を行っている。

 風力発電のコストは〔 4 米セント(約 4 円) / キロワット時当たり 〕であり、太陽発電のコストは場所によって異なるが、発電施設での平均発電コストは〔 19 米セント(約 21 円) / キロワット時当たり 〕である。

 少なくとも、波力エネルギー推進派は、その後の発電量は飛躍的に増えるだろうと考えており、波力電力は風力発電よりも技術的に困難であるが、波力電力エネルギーは、いくつかの点で、風力エネルギーよりも優れている、と考えている。なぜなら、風は〔当てにならないもの〕の代名詞であって、波は〔風よりも当てになるだけではなく、空気の 800 倍の密度がある〕と闘争心を燃やしている。

 しかし、一般的な認識では、実際に、主力とするには難しいだけに、懐疑的に見ている。

 実際の出来高は、海の中で発生する数々の物理現象に耐えうるだけの発電装置を取り付けるには、現在の50倍の耐性をつけなければならなくなり、コストがかかり過ぎる。その上、実際のエネルギー生産量は、かかるコストが大きいだけ純利益が減ることになる。電力供給時の使用量を低く見積もっても、純利益が低ければ運営は苦しくなる。少なくとも、メンテナンスに当てるコストも難しくなり、設備投資も難しくなる。

 だから、電力企業では、波力電力をメインの電力方法にはとらず、あくまでも、立地条件が合うところに限り、サブでの電力方法としてとっている。

 また、環境が陸と海の違いだけでも、陸より海の方がリスクが高いわけであるのだが、そのような計算が出来ないのも、自然がどんなものであるのか、よく知らないからだろう。一度、台風が来る季節となる9月に台風のとおり目になる九州地方に、ライフライン系企業に見学に来れば、理解できるのではないかと思う。

 いずれにしても、物事の流れの知識に疎い人々が計画にかかわっているため、何かとプロジェクトの達成を難しくさせている。


 欧州各国の政府は、温室効果ガス削減の必要性から、エネルギー源を多様化することが望まれているため、温室効果ガス削減の一環として、カーボン・フットプリントだけでなくグリーンエネルギーにも着目している。

 温室効果ガス削減の一環から、グリーンエネルギーに対し、補助金や助成金の支援を開始している。このことから、波力電気の開発についても、補助金や助成金の支援を開始している。

 なぜこんな書き方をするかといえば、nature誌に挙げられた記事や、参考にした文面が、あたかも波力電力にスポットが当てられているかのように書き上げられていたからであって、実際には、欧州でのデータでは主力に活動されたものとしてのデータが見られなかったため、それは、主力的に行われた計画ではない、補助金や助成金を行っている一部であると考えられる。

 実例がないだけに、波力電力は実現が難しいと考えられている状態となっているから、なおさらだろうが、そこからすれば、nature誌に上げられた文面には実際の状態とは、かなり、かけ離れているように考えられる。

 つまり、グリーン電力は需要供給を一定に安定化させて需要供給が出来ないことや、原子力発電のように、或いは、火力発電に代わるような効率的なエネルギー生産を求めることは出来ない。このことから、少なくともエネルギー産業では「主力で着目されているのではない」ものとなっている。

 そうでなくても、実際に温室効果ガス削減に対処しようとした場合、実際に「主力で着目される方法とも言えない」ことから、1つの方法として考えられているわけであり、従来の発電法より、効率的な解決策がないため、「温室効果ガス削減の一環として」1つの方法として考えられている、というだけの話である。

 その多くは、温室効果ガス削減のための、支援の一環で行われているに過ぎない。

 即ち、それは、〔波力電力のプロジェクトに関わった関係者だけの話となる〕といった、小さなスケールでの話しになるが、波力電力の場合、グリーンエネルギーの中で、現在主力と考えられている太陽電力・風力電力・潮力電力に対し、波力電力のコストがかかりすぎるという問題点がある。

 ことについて、波力電力の実用化を実現させるために、波力電力のコストとその他の発電方法による発電コストの差を縮めることに懸命に取り組んでおり、補助金や助成金の支援を開始している。

 しかし、その背景には〔温室効果ガスを何とかして削減しなければならない〕といった大きな問題を、回避するための一環として、懸命に取り組んでいるという話であって、計画についての取り組み方については、あくまでも現実ベースであって、研究者のように熱を入れて活動されているわけではなく、計算上の試算第一で、極めてドライかと考えられる。

(注:参考にしたnature誌のニュースをレポートした人物は、このあたりの社会の流れについても知識に薄く、誤った記述をしていたので、本文で訂正している。)


 ポルトガル政府では、温室効果ガス削減対策において、グリーン電力にあたる、再生可能エネルギー源を利用する発電について、補助金をあてる方法で支援を行っている。このため、波力電気についても、〔 32.5 セント(約 36 円)/ 1 キロワットあたり〕の補助金を出している。

 英国では、波力電力装置の現地試験や商業化を促進するために、〔海洋再生可能エネルギー開発基金〕が最大で 5000 万英ポンド(約 115 億円)の支援を行う予定である。

 米国には、現時点では波力エネルギー開発に特化した支援制度はないが、Darlene Hooley 下院議員(民主党、オレゴン州選出)は、5年間にわたって、年間 5000 万米ドル(約 55 億円)の資金援助を行うための法案を議会に提出されている。


 しかし、資金が見合わないことから、多くのデベロッパーは波力発電への政府の支援は不十分であるという不満を抱いている、という。

 が、しかし、著者の私的な見解では、税金の一部が予算として当てられるわけであるから、支援を受けるならば、それなりの実績や、必要とされる支援額について、なぜそれだけの支援額が必要なのか、その支援で確実に成果が出せるのがどれぐらいのものなのか、明確に示された上でなければ、認めるわけもいかないだろうと考えられる。

 日本での波力電力の実験においては、海外よりも巨額のコストがかけられて実験されている。実験が成功した例がいくつもあるようだが、それだけの成果が出せていたのは、それだけの根拠立てがあったから引き出せた予算や資金であって、成功した実験であると考えられる。また、実際に、低圧ポンプを用いることによって、一定に安定化した電力が供給できたからでもあると考えられる。そこには、装置そのものが高性能であったこともある。装置をを設計する技術が高く、装置において高性能の技術を用いられたため、海外のデータと日本のデータにも大差が出ている。そこからすれば、日本国内の場合は海外とは違った独自のプランを持っていると考えていいだろう。

 つまり、プランがそれだけのものでなければならないし、実績からすれば、設定された支援ぐらいしか出せないものだろうと考えられる。


 英国のコンサルタント会社のAEAの報告によれば、国際エネルギー機関の加盟国の 1974〜2004 年の再生可能エネルギー予算のうち、海洋エネルギー開発のために支出された金額は、わずか 8 億米ドル(約 880 億円、インフレ調整後)であり、全体の 0.3 %に過ぎないという。波力発電に投資する国のほとんどが加盟国となっている。

 これには、波力電力の性質について、十分な理解が得られなかったからだと考えられる。実際、nature誌を読んでいる上では、根拠不足で、予算を引き出すには、難しいかと思われる。

 このため、多くのデベロッパーは個人投資家からも資金提供を受けている。一例として『海外において波力発電が波に乗れないのは何故か?(1)』でも取り上げたが、デンマークのニスムブレドニングの入り江で研究している、Steenstrup の The Wavestar Project でさえ、「ウェブスター」の 最近の研究資金の約4分の3は個人投資家から資金を得ている。現在のプラットホームの約5倍の規模の「ウェブスター」を建設が必要だと考えており、試作機第一号には 1100 万ドル(約 12 億円)が必要だと見積もっている。

 しかし、Thrope は「早いうちに利益を出さなければ投資家が逃げてしまうだろう」と考えている。それは、『海外において波力発電が波に乗れないのは何故か?(1)』でも取り上げてきたように、実用的に使えるプランを持った波力発電装置が極めて少ないからである。

 実際に、株式売買の市場では、投資家への目玉商品として、売り出されているケースさえある。筆者の私的な見解では、極めて悪質な手段だと考えられるが、何も知らない素人なら、容易に引っかかるだろう。

 Thrope は、これだけ多くの企業が投資家の関心を引こうと競い合う一方で、客観的な比較がほとんど出来ない現状では、投資家が成功の見込みのないプロジェクトに資金をつぎ込んでしまう危険性について、指摘しているが、マネーゲームにはつき物の話である。

 「多くの人が、波力発電の経済性を十分に検討することなく投資している」と、Thrope は言うが、素人はそんなもので、その多くは、ギャンブルと同じで一回あたれば欲が出る。たとえ波力発電でなくても、甘い言葉に乗ったり、欲を出して、引き際に手放したがらないのも多い。経済性を十分に検討することなく投資して失敗するケースは日常茶飯事である。

 しかし、厳密に言えば、一言で「投資家」といってもピンからキリまであって、プロともなれば、企業内の状態やプレスリリースの状態や、研究された論文等までも目を通し、緻密な分析行って流れを読む。よほど知識を持っていて、流れを読めなければ、利益を得続けるには難しい世界でもあるが、長者番に乗るような大口の投資家である場合、税金免除や、慈善事業の一環で、投資するケースさえある。

 おそらく、Thrope は、そういった経済の流れの仕組みをわからずに嘆いているのだと考えられる。


 これは、報道に載せられていなかったが、なぜ、Thrope は嘆いていたかを分析すれば、〔それよりも、なによりも、定着されたイメージから投資家が逃げることについて、波力電気促進派にはダメージが大きいと考えられることから、危惧している〕のだろうと考えられる。

 しかし、実際は、自然淘汰されることから、実力を持ったものが生き残ることとなるので、整理されてわかりやすくなるであろうし、生き残るために、確実なところを打ち出して対応していくことになるだろうから、実力をつけるのには好都合となる。

 いわば、経済市場というのは、生物学で出てくるような、進化論や、生存競争といった、そういう世界であるので、経済市場に出れば、当然、経済市場の流れに対応しなければ、生き残れないのは言うまでもないだろう。


 また、nature 誌では、〔昔ながらの送電網を保有する電力会社もまた波力電力希望を打ち砕く可能性がある〕と指摘しているが、これも事実とは違う。

 これは、『波力発電と潮力発電の違い』で取り上げた内容だが、「昔ながらの送電網を電力会社は、集中的に配置されら大規模な発電所で発電した電力を供給体制を取っているため、その送電網の多くは、再生可能エネルギー源を利用する分散的な発電方式に対応することは出来ない」とあるが、実際は、〔分散的な発電方式が、昔ながらの送電網に悪影響を及ぼさないように、一定の電力を供給できるような装置を搭載していないために対応出来ない〕という話であり、〔昔ながらの送電網を使えるように対応できていないのは、分散的な発電方式にある」。

 送電網を持つ電力会社に対し、Thrope は、「再生可能エネルギーの開発において電力会社が果たしてきた役割は、『我々の眼の黒いうちにはそんなことはさせない』といって "通せんぼ" すること
だった。彼らは波力発電装置を送電網に組み込むことに猛反対してきた」と訴えるが、〔一定の電力を供給できないから、断っているだけ〕の話であると考えられる。

 それは、『波力発電と潮力発電の違い』でも物理上根拠を挙げて、取り上げてきた話だが、経験不足の無知だった差分、Thrope は嫌がらせだと取ったのかもしれない。

 即ち、Thrope の主観的な感傷から発生している発言であって、事実とは明らかに違うところからすると、Thrope は、やはり、何も知らなかったのかもしれない。

 因みに送電網といえば、配電部の分野となる。配電部といえば、技術職の頂点にある。いわば、相手が学者で研究者となると、そんな基礎的な物理や技術も知らないのか?…といったことにもなりかねない。

 著者である自身は、誹謗中傷をする気はないが、これでは、あまりにも知識や実力のレベルが低すぎるのではないかと、思えてならない。

 波力電気促進派においては、地球温暖化を回避させる目標の一環として、波力電力について、温室効果ガス削減のためのひとつの手段であると認識できない限り、実働を見ることは出来ないであろうし、波力電気を促進させる野望を捨てない限りは、波力電力は波に乗れないであろう。


posted by 0≠素子 at 18:30| Comment(0) | enelgy industry - exploitation | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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