2010年05月11日

海流の衝突:塩分濃度の高いインド洋水塊が北大西洋に侵入

太平洋北鉛直循環 (AMOC) が将来的に衰える可能性は、気候変動に関する議論の中心的な問題となっています。

注目が集まっているのは、亜極北太平洋の塩分低下の影響であって、これは例えば、高緯度域での降水量と解氷の増加の結果として起こる可能性があります。

高分解能海洋モデルを使った新しい研究から、北大西洋は既に、これとは反対向きの影響を南から受けつつあることが示されました。

人為起源の影響の結果と思われる偏西風の南への移動に応答して、暖かく塩分濃度の高いインド洋水塊のアフリカ尖端周辺での輸送が強まりつつあります。

アガラス・リーケージとして知られるこの流れは、北大西洋での淡水の注入によって大西洋深層水に生じていると思われる循環低下を相殺すると見られ、メキシコ湾流を含む AMOC 系の安定に寄与していると考えられます。


### database ###
nature 462,381-534 26 November 2009 Issue no.7272
This Issue p.386
Letter p.495 / Increase in Agulhas leakage due to poleward shift of Southern Hemisphere westerlies / A Biastoch et al. (Leibniz-Institutfur Meereswissenschaften)


高温高塩なインド洋水塊を大西洋へ輸送する海流であるアガラス・リーケージは、全球の海洋循環、ひいては将来の気候の変化に非常に重要な役割をもちます。

現在ではこの水塊は、大西洋南北鉛直循環 (MOC) 表層の分枝流への熱と塩分の主要な供給源となっています。

有孔虫群集にみられる過去の氷期から間氷期への変動とモデル研究から、アガラス・リーケージの量とそれに対応する MOC への影響は大きく変動してきており、それが南半球偏西風の緯度方向の移動と結びついている可能性を示す証拠が得られています。

偏西風の極方向への漸進的な移動は過去 20〜30 年間にわたって観測されており、これは人為起源の強制と結び付けられていますが、観測記録がまばらであるため、アガラス・リーケージの応答が同時に起こっていたかどうかを決定することができませんでした。

本論文では、高分析能海洋循環モデルの結果を提示し、アガラス・リーケージによるインド洋水塊の南大西洋への輸送が、風の強制の変動に応答して過去数十年間に増加していることが示されています。

posted by 0≠素子 at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | nature - lssue | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。